2017年03月30日

第二期臨床仏教師 認定式・記念講演開催

◆5人の新たな臨床仏教師が誕生

生きていく上で、私たちはさまざまな困難に直面しなければなりません。もしもひとりでは乗り越えられないような大きな苦しみがやってきたとしたら・・・。
「臨床仏教師養成プログラム」は、不登校・ひきこもり、虐待をはじめとする子どもや青少年の問題、そして自死問題、被災者がかかえる問題、さらには誰もが避けられない「看取り」にまつわる苦悩など、現代のあらゆる生老病死の課題に寄り添う仏教者を養成するために開設しています。今回認定者を出した第二期のプログラムは、2014年の10月より始まりました。第1ステップの座学(30時間・83名受講)、第2ステップのワークショップ(40時間・34名受講)、そして最終ステップとなる、病院や社会福祉施設等の臨床現場での臨床実習(100時間以上・8名受講)のあとの最終考査を経て、この度、晴れて5名の方が第二期臨床仏教師としての認定を受けました。

rinbutu2ki1.jpg


◆臨床仏教師認定式・記念講演会

3月30日に開催された認定式では、多くの方々の祝福を受けながら認定状の授与がなされました。また、認定者一人ひとりが関係各所への謝意を述べながら今後の活動への抱負を語りました。
「これからご縁をいただくであろう目の前のその人に対して和顔と愛語をもって、慈しみのこころをこめてお話しをお伺いしたいです。(内山美由紀さん) 」「講座で学ばせていただいた慈悲や平等の心をもって、これからの青少年教化の歩みを進めてまいりたいです。(岡部幸子さん)」「今日の日を新たなスタートに、また自らの足で、生老病死の現場に向かい、悩み苦しむ方々に寄り添ってまいりたいです。(星光照さん)」「臨床仏教師という名前をいただくことの責任を感じ、身が引き締まる思いです。無力でありながらも仏性を信じ、誠実に、ひたむきに、苦を抱える方々とこれからも向き合っていきたいと思います。(眞木興遼さん)」「すこしでも患者様、苦を抱える方の気持ちに寄り添い、いただいたご縁に報いてまいりたいです。(森脇宥海さん)」
花園大学総長の河野太通先生は、ご祝辞として阪神大震災の際のエピソードをお話しくださり、一人ひとりの尊い「いのち」を前に、仏教者として何ができるかという深い問いを投げかけられました。
また、続いて行われた記念講演会では、「看取り医がブッダに学んだこと」として、東京大学名誉教授の大井玄先生が、仏教と医療・科学の接点を解き明かしながらお話しくださいました。

rinbutu2ki2.JPG


自らの行いによって、明日の世界が変わっていくかもしれない。笑顔を向けたら、相手もうれしい気持ちになるかもしれない、すこしほっとした気持ちになるかもしれない・・・。人のこころに接したときに、自らの弱さ、無力感と正面から向き合わなければならない時もしばしば訪れます。
相手のこころの内のすべてがわかるわけではないからこそ、日々、お見守りをくださる仏さまよりお教えをいただきながら、謙虚なこころで生きる大切さにあらためて気づかせていただきました。
「今また新たに医療者と仏教者が区別されることなく、この世をよく生きるという同じ目的のために尽くせる時代がすぐそこまで来ていると思います。」
最期に、臨床実習を受け入れて指導にあたってくださった国立病院機構四国がんセンターの谷水正人院長は、臨床仏教の未来へ向けて、このような言葉を述べられました。現在、すでに認定された第一期臨床仏教師の方々は、国内外問わずさまざまな臨床の現場で活動されてます。第二期の方々が認定されたこの日を新たなスタートとして、こころの苦しみを和らげられる方が、全国に、そして世界に一人でも多く増えたらと願うばかりです。
posted by 全青協 at 00:00| Comment(0) | お知らせ

2017年02月02日

第3期臨床仏教師養成プログラム 「ワークショップ課程」のご案内

第3期臨床仏教師養成プログラム「ワークショップ課程」受講者の募集を3月1日(水)より開始します。

日 程:2017年4月25日(火)〜2017年9月12日(火) 隔週火曜日・全10回
会 場:築地本願寺 聞法ホール(東京都中央区)
受講料:一般95,000円/会員・学生85,000円
主 催:公益財団法人 全国青少年教化協議会
    臨床仏教研究所

講座内容:
○仏教カウンセリング・傾聴法 
○自己を知る・生と死のプロセスワーク 
○内 観 法 
○苦集滅道(四諦)ワークショップ
○インターフェイス・チャプレンシー
○いのちのケア&スピリチュアルケア 
○セルフケア/マインドフル瞑想
○ターミナルケア/チームケア
○コミュニケーション・トレーニング&ロールプレイイング@       
○トラウマケア&ロールプレイイングA 

詳細につきましては、下記要項(PDF)をご参照ください。

臨床仏教養成プログラム 第3期ワークショップ課程 募集要項(PDF)

<提出書類>
@座学課程(公開講座)感想レポート 書式フォーム(PDF)
A志望動機 書式フォーム(PDF)
B履歴事項書類 書式フォーム(PDF)
posted by 全青協 at 18:19| Comment(0) | 日記

2017年01月19日

講師からのご回答 【第3講 窪寺俊之先生】

臨床仏教公開講座では受講者の皆さまからのご質問を募集し、講師の方にご回答をいただいています。
第3講にご出講をいただきました、聖学院大学大学院客員教授・窪寺俊之先生のご回答をご覧下さい。

20161109.JPG


【質問1】
日本において、外国のようなチャプレンのいる施設はどのくらいありますか。

【回答】
私の知る限りでの情報ですが、アメリカ、英国、ドイツ、カナダ、オーストラリアなどでは、チャプレンがどこの病院にも常駐しています。そのチャプレンの身分や配置の仕方は国によって異なります。アメリカの場合、病院評価機構があり、チャプレンの居ない病院は患者さんへのケアの質が低く評価されます。そこで病院はチャプレンを置かざるを得ない社会環境です。ドイツの場合は、(例えば、ルーテル派)が自分の教派のチャプレンを病院に派遣しています。

日本ではチャプレンを配置している病院の数は、30病院位だと思います。米国では3000位のレベルです。


【質問2】
無宗教の人が死を迎えるとき、どのようなケアをすれば効果的なのでしょうか

【回答】
無宗教の人の対応には、特に宗教的ケアを求める人と求めない人がいます。死を間近にして宗教的ケアを求める人がいますが、そうでない人にも、人として最大限の尊敬と優しさや思いやりをこめたケアをします。傾聴が一つの大切なケアだと理解しています。


【質問3】
ご自身がスピリチュアルなケアを必要とされるときはありますか。
 
【回答】
自分自身のケアは非常に大切なテーマだと思います。ケアする人が心の準備ができていないとよいケアができないからです。私は心身の健康に気をつかっています。一つは食べ物、睡眠、運動です。それに信頼と愛のある家庭の大切さを感じています。ストレスを持たないように人間関係を大切にすることにも気を使っています。また、自分の魂の問題は、教会生活を大切にしています。人間の生は、いろいろ問題が起きてきますが、自分ひとりで悩まずに神仏に頼ることで救われます。



【感想】
大変勉強になりました。自分自身が寄り添うことができるのか、深く考えさせられる時間でした。いかに心が大切であるということを学ばせていただきました。

【回答】
貴重なご感想をいただき感謝申し上げます。「寄り添う」ことの難しさを私自身が毎日感じています。傷付いた人や重荷をもつ人に寄り添うためには、優しさや思いやりの心が不可決だと感じています。自分自身の心を調えることの必要を毎日感じています。ご感想をありがとうございました。


【感想】
私たち宗教者はいかに生きて、いかに死にゆくか、一人一人の気持ちに寄り添って一緒に答えを見出すことができたら幸いだと思いました。

【回答】
貴重なご感想をいただき感謝申し上げます。「寄り添う」ことの難しさを私自身が毎日感じています。宗教者に特に必要なのは、神仏への信仰心ではないかと感じています。弱く、脆く、自己中心な自分を抱えている自分が神仏の愛や慈悲に支えられていることの自覚が自分の原点かと考えます。ご感想をありがとうございました。


【感想】
つらい体験がスピリチュアルを育て、神と親しくなっていくのか・・つらさの意味なのか、と最近思っておりました。それは神さまに愛されているのか、ということを思いたいです。私はみすずの「こころ」という詩も好きです。もっとお話しをお伺いさせていただきたかったです。素晴らしいご講義をありがとうございました。
【回答】
貴重なご感想をいただき感謝申し上げます。辛い体験があるから神仏を求めると考えます。また、自然に触れることでいのちの回帰を悟る機会になるかもしれません。また、美しい音楽に触れることで魂の深みが揺すぶられることも、スピリチュアルな体験だと思います。ご指摘の金子みすゞの作品は、童謡詩ですが、魂の声を聴く思いになります。スピリチュアリティを育てるには、「いのち」感動する体験が大切なのかもしれないと思っています。ご感想をありがとうございました。
posted by 全青協 at 10:23| Comment(0) | 公開講座