2015年09月30日

第2期ワークショップ課程 第1講開催報告

2015年4月22日、第二期ワークショップ課程の第1講は「仏教カウンセリング・傾聴法」というテーマで、仏教的なケアの手法の一つである「傾聴」について学び、カウンセリングを行うための心構えについて講義が行われました。講師は、神仁 臨床仏教研究所上席研究員です。
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冒頭では、どのような方がこの第二ステップに参加しているのか互いに知るために、二人一組になり、この講座に参加した理由と、今後どのような現場で活動したいかなどをインタビューし、全体の前でそれぞれ相手の紹介をする「他己紹介」が行われました。
そこでは対話のポイントや、“相手のペースを優先して会話する”といったことなど、円滑なコミュニケーションの方法が神研究員より説明されました。

また、臨床仏教師としての活動の基礎は、「ケア対象者に同情するのではなく、仏様の存在を常に感じながら、相手の心に寄り添い共感するということ」だと神研究員は強調します。「昨今、仏教界では法話や説法といった“発信”が重視され、相手の心に寄り添って聴くという“受信”の力が、全体として不足しているように感じられます。宗門校など僧侶育成の現場においても、全ての方々にケアの基礎を学んでいただければ」と、今後の日本仏教界の展開に期待をこめました。
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その後も、配布された資料をもとに、4〜5人のグループに分かれてワークが行われました。ワークを体験することによって、「相手の気持ちを理解しようとするとき、自分がこれまで培ってきた経験や価値観によって相手のことを判断してしまいがちだ」ということを多くの方が感じられたようです。「自分とは異なる価値基準を持つ他者の意見をグループシェアで聞くことができました。チームとして話し合うことで、ケア対象者の心に多角的に気付き、寄り添うことができるのでは」といった声なども寄せられました。
当初は皆さん緊張されている様子でしたが、ワークを通して次第に笑顔も見え、互いに学び合う仲間として一歩を踏み出す講座となりました。
posted by 全青協 at 12:38| Comment(0) | ワークショップ

2014年05月08日

ワークショップ第8講 開催報告

2014年1月29日、ワークショップ課程最終講は、これまでの総まとめとして、実際のカウンセリングの場を模したロールプレイを行ないました。
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講師をつとめた神仁上席研究員は、ロールプレイを行う前に一連の講座を振り返り、「自分自身どういった問題を抱えているのかをしっかりと把握して、自己洞察をしましょう。そして、まずは仏教者として相手の信仰を尊べるような確かな信心をもち、次に共感・傾聴することによって相手の心の内を聴いた上で、最後にどう接したら良いか、どういう言葉を投げ掛けたら良いかという方便(導き)に至るというプロセスが重要です」と述べ、今後OJT研修が始まり現場に出て活動するためのメソッドを説きました。


受講生からは、「臨床仏教師として、宗教的なケア以外ではどのような方便があるのでしょうか」という質問がありました。それに対して神研究員は、「相手の問題が深刻であるほど、うつ病や統合失調症などの病を患っているケースがあります。宗教で救える部分と医療で救える部分と違いがあるので、相手にとって最善の利益を考えた上で適切な対処をとっていただきたい。場合によっては医療機関につなぐことも一つの方法になるでしょう」と回答しました。
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ロールプレイでは、受講生は3人1組に分かれ、@相談者A聴き手B観察者の役割を順番に演じていきました。三つの役割を演じることで、相談者が聴き手に求める思いや、聴く側の難しさを体感し理解することができます。
受講生からは、「これまで学んできたことの集大成のようなワークでした」という感想をいただきました。また、日々の寺院での活動においても、本講座を受講する前と比べて相手の話をしっかりと聴き、良い接し方ができるようになったと実感している受講生も多く、「臨床仏教師養成プログラムに参加したことで、お檀家さんやご門徒さんに接する際とても役立っています」という声が寄せられています。
posted by 全青協 at 12:18| Comment(0) | ワークショップ

2014年05月02日

ワークショップ第7講 開催報告

2014年1月15日、ワークショップ課程の第7講目は、京都大学こころの未来研究センター研究員の千石真理さんをお招きし、内観療法についてその方法と事例を交えてお話いただきました。
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千石さんは、現代のストレスが多い社会において、心に問題を抱える患者さんが増加していることについて、「精神安定剤や抗うつ剤で症状が良くなる例もありますが、人間の精神は人間関係の中で作られるものであり、頭の中に化学変化を起こさせるだけでは、真の解決にはなりません」と述べました。患者さんの治りたいという意思、家族や周囲の人々の協力、そして内観(具体的には、これまでの人生を振り返り、「お世話になったこと」「迷惑をかけたこと」などを思い起こすプロセス)を通じて、今まで当たり前のこととして受け止めてきて、観ようとしなかった苦しみの正体を見つめなおし、そして気づかされるという認知の転換によって、根本的に病気を治していくことが大切なのですと提言しました。


さらに、「過去は変えられなくても、過去の見方は変えることができる」と千石さんはいいます。「お世話になった家族や恩師、更にさかのぼって先祖の存在を認識することで、仏教でいうところの『縁起』を理解することができるのではないでしょうか。自己中心的だった物の見方が変わり、心の辛さが消えていくかもしれません」と、内観が深まることによって見えてくる真理について千石さんは解説しました。
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プチ内観のワークでは、受講生から「過去を振り返ることは、思い出したくない体験や、嫌な自分を思い出す怖さもあるが、臨床の現場に関わる上で燃え尽きないためにも、自分自身をしっかり見つめることは必要だと感じた」という意見や、「仏教と心理療法の接点があることに驚いた」という感想が寄せられました。また、ワーク終盤では千石さんによるハープの演奏もあり、その美しい音色によって心が洗われ、内観と合わせて清々しい気持ちになったと会場を後にする受講生も多かったようです。
posted by 全青協 at 17:59| Comment(0) | ワークショップ