2016年02月03日

臨床仏教研究所公開研究会「現代米国における仏教チャプレンシー」を開催します。

臨床仏教研究所では、米国仏教チャプレン事情の報告をもとに、わが国のスピリチュアルケア、いのちのケアをリードする諸氏を交えて公開研究会を行い、今後の発展と協働を模索するための公開研究会を開催します。

■日程・場所
日 程: 2016年4月19日(火曜) 13時〜17時
場 所: 東京大学仏教青年会会館

■プログラム
発題1  古村文伸氏「米国仏教チャプレン教育の実際」
発題2  ジョナサン・ワッツ氏「米国仏教チャプレン教育の現状について」

コメント&ディスカッション(予定) 
コメント1 島薗 進氏「臨床宗教教の視点から」
コメント2 窪寺俊之氏「米国のCPEからの視点から」
コメント3 蓑輪顕量「エンゲイジド・ブッディズムの視点から」
モデレーター 神 仁(臨床仏教研究所)
総合司会 大河内大博(いのち臨床仏教者の会)
posted by 全青協 at 14:13| 公開講座

2015年04月30日

第2期臨床仏教公開講座 第10講開催報告

2015年2月18日、臨床仏教公開講座第10講は「現代社会における臨床仏教師の使命」と題し、臨床仏教の意味、そして臨床仏教師に求められている役割とその実践について講義が行われました。講師は、神仁 臨床仏教研究所上席研究員です。
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まず、神研究員は、2009年に当研究所で実施された「寺院と葬儀に関する一般人の意識調査」をもとに、「約7割の回答者が、“宗教は精神的な拠り所となり、死に直面したときには心の支えになる”という回答が得られている」と説明しました。一方で、「死に直面したとき、お坊さんが心の支えになるか」という問いには7割もの方が否定的な回答をしていることを紹介し、その意識のズレについて「仏教者が今後解消していかなければならないギャップがまさにそこにある」と指摘しました。

当研究所が提唱する「臨床仏教」には、「個の霊的な領域、および人間の生老病死にまつわるさまざまな社会事象における苦悩に向き合う仏教の様態」という概念が含まれています。神研究員は、「お釈迦さまから続く“人々の苦しみに寄り添い共感しようとする”仏教のありようが、今求められているのではないでしょうか」と、見解を述べるとともに、アジアの中でも先進的に「臨床仏教宗教師」によるターミナルケアが行われている台湾における事例を紹介しました。

また、臨床仏教師に求められるものとして「信じる力(信仰・他者と相互の信頼関係)、自分を知る力(自己の内省)、聴く力(傾聴)、寄り添う力、方便の力(対機)」という5つの力を提示しました。神研究員は、臨床仏教師の基本理念として宮沢賢治の『雨ニモマケズ』を引用しながら、「“自分を勘定に入れない”境地を目指すことは、決して華々しいことでも目立つことでもない。一生涯、自らの信に向き合い、学び続けることを前提として、日々精進していただければ」と述べ、本講座を締めくくりました。
posted by 全青協 at 15:00| Comment(0) | 公開講座

2015年03月27日

第2期臨床仏教公開講座 第9講開催報告

2015年2月4日、臨床仏教公開講座第9講は、心身めざめ内観センター主宰・千石真理先生をお招きし、「仏教チャプレンの役割―生老病死の現場に関わる仏教者―」というテーマでお話しいただきました。

欧米では、病院や老人ホーム、刑務所などで心のケアにあたる「チャプレン」と呼ばれる宗教者の存在があります。宗教アレルギーの強い日本において、今、求められる仏教者のあり方とその信念とはどのようなものでしょうか。
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病院チャプレンの役割について、先生は、「医療チームの一員として不安や悩みごとを傾聴させていただくなかで、患者さんのスピリチュアルペインを取り除き、安らかな旅立ちへ向けて寄り添うこと」と述べられ、医療従事者とチャプレンが協力し合いながら、患者さんやご家族の心のケアを行う様をご説明下さいました。
そして、チャプレンの心得としては、「しっかりとした信仰・死生観をもった上で、それを押し付けることなく相手を尊重すること」を挙げられました。欧米では、チャプレンの教育制度が整備され、その取り組みも広く認知されているそうです。

ひるがえって日本では、死を「医療の敗北」と捉える医療従事者が大半を占め、「仏教者が日本の病院で心のケアに携わるということはとても厳しい状況です」と、現状を踏まえて今後の課題について指摘されました。

「人が心安らかに亡くなるためには宗教の力が必要だと思います。だからこそ今、私たち仏教者の生き方が問われているのではないでしょうか。講座で学びながら、仏教者として果たすべき役割を考えていただければ」という先生のメッセージに、「寺院での取り組みや、僧侶として持つべき心構えを、改めて見つめ直していかなければいけない」と感じた受講生も多かったようです。
posted by 全青協 at 18:22| Comment(0) | 公開講座